広海で働く人

京友禅最終工程の蒸し・水洗を行っている当社では、たくさんの職人が各工程に携わり、職人と職人の連携によって一つの反物が出来上がります。

社員インタビュー

各工程に携わっている職人に、仕事内容や心がけている事などを伺いました。

蒸し

蒸しの工程では、染められた染料を白生地の中の糸の一番奥にまで染着させ、色の発色を最大に高めるのが蒸しの目的です。 ただ蒸気で蒸して発色させるだけでは無く、淡色はより綺麗に、濃色はより深みのある色にする等、蒸しの手法により発色は異なります。 1反ずつ最高の発色になる様に日々努力しています。

蒸し場を支えている3年目のリーダーに伺いました。

Q1.仕事内容を教えてください。

私の持ち場では、主に濃い地色の商品を紐を張った枠に掛けたり、ピンの付いた枠に交互に掛けたり(ピン掛け)、枠を回転させ螺旋状に掛けたり(スパイダー、丸ピン)、商品の用途に合わせた掛け方をして、蒸しをしています。

Q2.仕事で心がけている事は?

歴がまだまだ若いという事もあり、覚える事はたくさんありますが、先輩方と働いていくなかで、技術を磨き、常に探求心を持って1人前の職人になれるよう心がけています。

Q3.これまでに、印象に残った出来事は?

入社して印象に残った事は、業界未経験で入社しましたが、蒸し場ということだけあって暑いというのが第一印象でした。
そんな中、ご指導していただくなかで、一つの商品を任され上手く蒸しかけできた時の達成感は今でも忘れずにいます。

水洗

水洗の工程は、蒸し上がった反物についている余分な染料や糊を落とす工程です。
昔は鴨川などで友禅流しが行われていましたが、現在では環境への配慮から、工場内に人工川を作り、水洗を行っています。
洗い終わった反物は、生地や染の特性を判断しながら脱水し乾燥しています。

2018年入社の若手に伺いました。

Q1.仕事内容を教えてください。

蒸し上がった反物を、桂川の伏流水を用いた工場内にある人工川で余分な染料や、糊を落とすため水洗をしています。
反物の色の濃さや、生地の違いによって脱水の方法が異なるため、都度、脱水の方法は変えています。
脱水後は乾燥室で、反物を乾燥させています。

Q2.仕事で心がけている事は?

先輩の仕事をよく見て、教わっています。 無理をせずにできる事から、常にミスの無いよう心がけています。

Q3.これまでに、印象に残った出来事は?

以前も染関係の仕事をしており、伝統工芸の職人の仕事に憧れて、入社しました。 水洗の人工川で、先輩が反物を振って、糊を落とす作業を初めてみた事が今でも印象に残っています。

しごき染

型染の地色を染める染色技法である「しごき染」は、駒ベラを使用し染料の色糊をしごくように染める事から、「しごき染」と言われています。戦後より「しごき染」は、蒸し工場で行われるようになりましたが、現在、蒸し工場で行っているのは、当社1軒だけになりました。

永年「しごき場、蒸し場」を支えている入社歴20年のベテラン職人に伺いました。

Q1.入社のきっかけは?

修学旅行で京都へ来たのがきっかけで、高校卒業後、京都にて友禅の仕事に携わり、主に色合わせなどを担当しながら10年勤め、友禅屋廃業に伴い、転職しました。

Q2.仕事で心がけている事は?

蒸し場、しごき場にて仕事をしています。蒸し場では、お客様から預かった着物(商品)を蒸し箱に入れる作業を行っています。
しごき場では、小紋柄の入った白生地に色糊をまき、駒ベラで色糊をしごき、挽粉(オガクズをさらに細かくふるいにかけたもの)をまいて、蒸し箱に入れるために、生地を枠にかけ、蒸し箱に入れています。

Q3.仕事で心がけている事は?

お客様から預かった商品ですので、常に丁寧に扱う事を心掛け、預かったお客様の商品を必ず見て、覚えています。
商品の色によって蒸し方が違いうため、必ず、一つ一つ見極めて仕事を行っています。

防縮加工(シュリンクプルーフ)

これまで正絹の着物は、水に濡れると縮みや歪みが発生していました。
白生地の段階から加工を施すことで、後の工程において発生する縮み・歪みを予防でき、難を事前に防ぎ、コスト・時間を圧縮できる「Shrink-proof」を開発しました。

防縮加工に携わる常務取締役に伺いました。

Q1.仕事内容を教えてください。

主にSP広海のリーダーとして通常業務(連続蒸機、防縮蒸、検反など)をこなしながら、社長の補佐として会社の意思決定にも参加しています。

Q2.仕事で心がけている事は?

社員と積極的にコミュニケーションをとり、会社全体を見渡して適切に人員を配置し、より良い仕事のできる環境づくりを目指しています。
また、お預かりした商品に対して真正面から向き合い、最適な加工を見極めて丁寧な仕事をすることを常に意識しています。

Q3.SP広海で行っている、防縮加工について詳しく教えてください。

生地は、保管中の湿気で縮んでいきます。
防縮加工を行うことで生地の縮みを事前に防ぎ、生地の加工もしやすくなり、消費者の方にとっても、扱いやすい着物になります。
樹脂や薬品を一切使用していないので、絹本来の機能性や放湿性はそのままです。
近年、当社で行った防縮加工にて絹の洗える着物や、絹の洗える長襦袢等、各メーカーによって製品化されています。

防縮加工のご相談も承っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

受付・現場補佐

京友禅最終工程の蒸し・水洗を行っている弊社ではたくさんの職人がそれぞれの工程に携わり、職人と職人の連携によって一つの反物が出来上がります。 毎日多くの着物を受付にて扱い、商品管理を行いながら、それぞれの工程への現場補佐をしています。

現場補佐も行う、2年目の社員に伺いました。

Q1.仕事内容を教えてください。

基本は受付業務ですが、現場が立て込めばできる範囲でお手伝いしたりします。

Q2.仕事で心がけている事は?

受付は会社の顔とも言えるので、お客様にできるだけ気持ちよく思っていただけるよう笑顔で丁寧な接客を心がけています。
また、わからないこともまだまだたくさんありますので、上司に確認したり、色々と尋ねて日々勉強させていただいています。
それから、一日にお預かりする商品はとても多いので、どんな加工でどんな柄でどんな色なのかをメモに取り、特に急品などの商品はリストアップして忘れないよう心がけています。

Q3.入社のきっかけ、これまでに印象に残った出来事。

元々、高校を卒業後、違う蒸屋で五年ほど水元部として水洗した商品を干して、乾いたら検品、商品によっては機械柔軟加工をしたりと現場で働いていましたが、不景気により廃業。
その後五年は宝飾加工技師として、ジュエリー業界に居ましたが、やっぱり私が生き生きと働けるのはこちらだなと思い戻ってまいりました。
ですが、今まで現場で職人仕事しかやったことがなかったので受付の仕事が務まるか不安でした。
初めて自分の判断で商品を現場にまわした時の緊張は今でも印象に残っています。

溶剤精洗

京友禅には、糸目友禅、ローケツ染友禅など技法があり、ゴムを使用して糸目を描く「ゴム糸目」や蝋を使用しているローケツ染などがあり、反物を染め終わった後、反物に付いているゴムや蝋を特殊な溶剤を使用し除去します。

2018年入社、蒸し場にも携わる若手職人に伺いました。

Q1.仕事内容を教えてください。

入社当時は、蒸し場に携わり、反物を蒸す前に、スパイダーと言われるピンに反物を掛ける作業や、反物を蒸し箱に入れる工程を行っていました。
さまざまな工程に対応できるよう、現在は、溶剤洗浄、地入れ、前処理の工程を行いながら蒸し場の繁忙期には、補佐をしています。
白生地はそのままでは染料が上手くのりません、より美しく、染まるよう生地を加工するのが「地入れ、前処理」です。

Q2.仕事で心がけている事は?

お預かりした反物を汚したり傷つけたりすることなく、綺麗な仕上がりになるような作業を心がけております。 現状では与えられた仕事をこなすことしかできませんが少しずつ品物の特性を把握し、最適な方法を選択できる一人前の職人になれるよう精進していきたいと思っています。

Q3.これまでに印象に残った出来事。

仕事を教えて下さる、先輩方の仕事に対する真摯な姿勢やそれまでの経験が伝わってくるほどの圧倒的な知識など、特別な時ではなく、日常で伝わってくることが印象に残っています。 いずれは私も一人前になり、後輩を大きく育てられるようになりたいと思っています。

機械水洗

毎日大量にお預かりする反物、蒸し上げた後に余分な染料や糊を落とすために水洗を行います。 当社では京都の良質な地下水を潤沢に使用し、洗浄~乾燥まで一貫して全自動水洗乾燥機を導入しています。

まもなく4年目になる職人に伺いました

Q1.仕事内容を教えてください。

蒸し上がった反物を全自動水洗機で水洗する作業をしています。 水洗機は3基あり、それぞれ性能が異なるため、生地や色の濃淡によって商品を選別し最適な水洗機に振り分けて洗浄するようにしています。

Q2.仕事で心がけている事は?

生地の選別や機械操作を誤ると大きなミスにつながるため、細かいチェックや確認を怠らないように常に心掛けています。

Q3.これまでに印象に残った出来事。

元々、伝統工芸に興味があり入社しました。 機械水洗部に配属されてすぐに、「お客様からお預かりした商品は、すべて自分の反物だと思って丁寧に洗浄するように」という上司の言葉が印象に残っています。

当社が大切にしている取り組み

品 質

温度、湿度、生地・染料の種類など 日々変動するあらゆる条件に応じて創意工夫いたしております。

信 頼

特殊な染め方によって蒸し加工の難易度の高い商品でも 創意工夫によって最良の商品をお届けして参りました。 必ずや御納得いただけると確信しております。

小ロット対応

様々なお客様に対応できるよう、小ロット対応も行っております。
お気軽にお問合せ下さいませ。

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蒸し・水洗・揮発水洗・防縮加工・地入れ、その他… TEL:075-312-8895 FAX:075-321-2580 (平日10:00-17:00)

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